イット・フォローズ
イット・フォローズを見た。ちょっと不思議なホラーって感じだ。急にお化けがドーン!!とか、ギャーっとかはなかった(気がする)。内出血のように、いつまでも後を引くような、気味の悪い恐怖。エロもあるでよ。
あらすじ。主人公はイマドキの女の子。優しいカレシもいて幸せ。ついにカレシと(肉体的に)結ばれたら...病気どころか、よくわかんねえ呪いを伝染された!
カレシは初めから呪いを主人公に伝染すつもりだったのだろう、手際よく、クロロホルムや主人公を縛り付けるための車椅子やら何やかんや、準備周到であった。こいつも中々のサイコ野郎である。そして呪いのルールを説明する。
1.肉体関係を持てば伝染すことができる
2.それはいつまでも歩いてついてくる
3.呪いを受けたものが死ねば、前の人に呪いは遡る
的な。いいから信じてろ!誰かに伝染して、生き延びろ!と宣うカレシ。身勝手!何たる理不尽!
ここから主人公(とその親友達)の、呪いからの壮絶な闘いの日々が幕を開けるのであった...!
以下ネタバレも含むかも
さっきも言ったが、内出血のような怖さ。呪いが歩いてついてくる。とにかく歩いてついてくる、誰かが私を追ってくる。という状態が、ずーっと、ずっと続く。正しく、イット・フォローズなのである。
誰かに伝染したと思ったら、また後ろから何かが来る、銃で撃っても死なないし、姿はいつも違うし(身近な人だったりもする)、こちらの狙いを読んで適切な攻撃も加えてくるし、何なのだこれは、どうしたらよいのだ。という絶望感が凄い。
物語の先が気になるのと、呪いの正体が何なのかが気になって観続けはするが、「それ」が襲ってくるまでの感覚が長かったり、これ無理ゲーやろと諦めたりして、観終わった後は疲労感が凄かった。
結局、呪いの正体は明言されず。よく分からないものって、知らないものって怖いんだ、ということを痛感させられる。見終わったあとも暫く考えてしまう、そんな映画だった。
呪いの正体に関しては、恐らくヒントらしきものは散りばめられている。親友のメガネガールがずっと読んでいるドストエフスキーの『白痴』の文章、主人公が寝ている間は呪いは襲ってこないこと、など...。ラストシーンをハッピーエンドと受け取るか、呪いはまだまだ続くバッドエンドと受け取るかは、解釈の別れるところだろうか。
また、性とホラーの相性の良さを感じる。何故なんだろうなあ。生存本能に結びつくからだろうか。どちらも、見てはいけないものだからであろうか。子供のときに初めて見たポルノ画像とかと、ホラー画像見た時って、どちらも何か見たらいけないヤバいやつ見てる、っていう同質のモノの気がする、個人的に。
ドストエフスキー、恥ずかしながら読んだことないからなあ。読めば解釈深まるだろうか。
性とホラーの相性の良さ、呪いの正体、ラストの解釈など、観た後に誰かと語り合いたいような、そんな映画だった。